リバーシブルマン 2巻
【漫画作者】 ナカタニD.
【ジャンル】 エログロ漫画
【発売日】 2013年 3月
【掲載誌】 Webゴラクエッグ
【構成】 第1~8話
人知れず広がるウラガエリ。ウラ返った人間はその渇望を実現すべく、生まれ変わったように冷酷になると言う。ウラガエリを駆逐するため戦う任侠ヤクザ・ロクもまたウラガエリだった……
▼ あらすじ
● 第1話 ギフト袋とマシンガン
団地のゴミ捨て場にて
無造作に置かれたギフト袋の中に入っていた携帯電話がプルルル…プルルル……
気味悪がった女子高生が小枝でつつくと中からドピュっと血が噴き出し、破けた袋の中からはへその緒がついたままの赤ん坊の遺体が……
一方、ウラガエリのウワサを聞きつけたロクとハチ、とある宗教団体を訪れる
ビンゴだったらしく、ひとりの男を囲み儀式らしきものをしているまっ最中
「笑顔で解放され、そしてまた笑顔になるのです」と笑顔でオノを振りかざす男たち、笑顔のまま眉間を打ち抜かれて死んでゆく
そして1年前のウラガエリとの激闘で右腕をごっそり失ってしまったハチ
「右腕マシンガンのハチ」にリニューアルして不気味な男たちを一掃する……
赤ん坊の死体に騒然となる団地
発見された母親は、お腹から赤子を摘出されてのちきちんと縫い合わされて、化膿や感染症を防ぐため保冷剤がカラダに巻かれていたそうな……
● 第2話 3000円のハサミ
ロクと琉奈のカラダがウラ返らないようにチャックをつけ(1巻参照)ハチの右腕をサイバネティックスに改造した、何気にすごい千早診療所
妊娠した女子高生・アヤカが訪ねてくる
「お腹の子を殺してくれませんか。アタシお母さんと同じことをやっちゃいそうで……」
聞けば、母親からは愛情が倒錯したような虐待を受けており、同級生だったお腹の子の父親は通り魔に刺されて亡くなってしまったとか……
「おまえさんの母親の問題ではないのかね」と処置を保留にする先生
一方、とある人気のないプレハブ倉庫にて
今まさに制服を切り裂かれレイプされようとしている少女が……
彼女を救ったのはサングラスで顔を隠した身なりのいい女性。コイルガンのようなもので男の手を打ち抜きスタンガンで気絶させる
「あなたは……」と尋ねる少女に「本当の正義よ」とだけ答えて逃がしてあげる
2人きりになるやレイプ魔を裸にひんむき台に上に拘束
目を覚ましたとろで処刑スタート
絶叫する男のペニスをシュレッダーハサミで容赦なく切断、傷口が固まらないようにチョロチョロと水を流したまま放置して「運がよければ……死ねるわ」と
正義の女神・テミスと名乗る女の暗躍は続くのであった……
● 第3話 天秤とチェーンソー
裁判所の前に鎮座された女神テミスの像
万人が法の下では平等であることを示すため目隠しで顔をおおい、右手には善悪の平衡をはかる天秤をかかげ、右手には正義をふるう剣
そのテミスに「もっと正義の剣をふるいバランスをとるべきですわ……」とイチャモンつけるヤリ手の女性検事・梶井
性犯罪の被告に「懲役20年」とムチャな求刑をつきつける
そんな求刑が通るはずもなく、むしろ被告の罪は軽くなるばかり……しかしそれこそ彼女のホントの狙い、出所した被告のあとをつけ人知れず処刑する
そう、彼女こそ「本当の正義・女神テミス」の正体だった
まだ死んでいなかった先のレイプ魔の元を訪れるや「ウラガエリってみせなさいっ!」とチェーンソーで四肢を切断してゆく……
● 第4話 棺桶と傘とナイフ
例のウラガエリたちがいる宗教団体の調査を進めるハチ
その窓口と思われる病院に潜入するため、重い病気をわずらい末期を迎えた患者たちのために開かれる「棺桶セラピー」へと潜入
「死と向かい合い笑顔で迎え入れる準備はできましたか? 笑顔で自分を脱ぎ捨てるだけ……必要なのはそれだけです」と怪しいニオイがプンプン……
一方、母親の虐待とお腹の子供のことで悩む女子高生・アヤカ
通り魔に殺された彼氏の殺害現場で「アタシお母さんが育ててくれた姿なんて見てないから、母親なんて生き方わかんないよ」とひとり雨の中に濡れながら
そんな彼女をたまたま見かけたロク
傘を差し出し「おせっかいですまねぇが、俺は生まれることのできなかった命をひとつ背負ってるんでな」と悩む彼女を診療所へ……
● 第5話 注射器と棺桶
ロクの言葉がひっかかったアヤカ、その意味を先生に尋ねてみる
……10年以上も前の話
バブル崩壊の煽りでカネのために組を割る連中が出てくる中、ロクの兄弟分にあたる5人の男たちが「リストラ」と称して虐殺劇をはじまる
家族・親族も巻き込まれる中、妊娠中だったロクの妻もさらわれてしまう
数か月、手を尽くして必死で探したロクが彼女を見つけ出したのは、アジアの町外れにある小さな見世物小屋。両手両脚を切断され、暗闇の中で芋虫のように蠢いていた……
大きくふくらんだ腹の中、赤子は死んで腐敗していたとのこと
「ヤクザの世界に終わりもクソもねえ……ただ落としまえをつけさせるだけだよ」とウラガエリを手掛かりにその5人を追うロクであった……
● 第6話 さらしとこのわた
病院に潜入していたハチ
怪しい建物を見つけるも看護婦(ウラガエリ)に怪しいクスリを打たれ気絶……目を覚ませばそこは敵陣のど真ん中、ウラガエリ製造施設の中だった
しかし前回と違って「兵器化」するつもりはない施設の“先生”
「心臓952万円、肝臓1256万円、腎臓2096万円……」臓器を取り出しは売り、取りだしては売り、再生され続けるウラガエリの臓器はまるで「このわた」のごとし
脳さえ傷つけなければ、いくらでも再生するんだとか……
一方「笑顔・欲望・大連鎖」を連呼する例の宗教団体、幹部として呼ばれたのはMsテミス。梶井検事こと本当の正義を執行する女神・テミスだった……
● 第7話 ギフト袋とガトリング
ぐるぐる巻きにされたハチの前に現われたのは「呉のオジキ」と呼ばれる男
ロクの妻をさらった5人の兄弟分のひとりだった
ハチに容赦なく銃弾を浴びせかけ、残る右腕を切断しようとした刹那、間に割って入ったのはハチをヒーローと憧れるチンピラ(最初に教会で助けられた男)
しかしこの男も、呉にあっさり両足を切断されて再起不能に……
そして今度こそは真打ち・ロク登場
マシンガンで手下ともども呉を掃討するも当然のように立ち上がる
全員ウラガエリだった
ここで根性を見せたのが両脚を切断されたチンピラ、ハチの拘束をナイフで裂き解放する。自由を取り戻したハチはロクの腹の中に隠されていたマシンガンをセット
ハチが右腕マシンガンをぶっ放している間に、呉の脳天を破壊したロク
妻のカタキのひとりを屠るのであった……
● 第8話 100円包丁と傘
ロクがかつての兄貴分・呉との決着を付けていた頃
妊婦のお腹から赤子を抜きとる被害の2件目が発生していた
ここでとある刑事が、この妊婦たちの連続傷害事件と性犯罪者の連続失踪事件を「同一人物の仕業では?」と疑いはじめる
失踪した4人の性犯罪者たちが「18年前の監禁レイプ事件」とつながっているところまで調べ上げたこの刑事、その被害者こそ他ならぬ梶井マリア
性犯罪者を断罪する女神・テミス
そして、母の虐待とお腹の子供に悩む女子高生・アヤカの母親でもあった……
母・梶井マリアに子供を妊娠していることを打ち明けたアヤカ
すると「お腹の中の汚いもの……お母さんが取りだしてあげましょう」と実の娘に包丁を向けるや、抵抗する彼女に斬りかかる
ここにきて「この人を…お母さんを殺してでもアタシ産む」と決心と固めたアヤカ、初めて母マリアに立ち向かうのであった……
一方、現場に残ったDNAから4人の性犯罪者たちの失踪に梶井マリアが関わっていることが判明、彼女に指名手配がかかる……