【タイトル】 当て屋の椿
【漫画作者】 川下寛次
【ジャンル】 エログロ漫画
【連載】 2008年 ~
【掲載誌】 ヤングアニマル
【コミック】 最新刊 14巻
エログロ・ミステリー
当て屋の椿が事件を解決!
毎度救いのない悲劇な結末……
▼ あらすじ
鳳仙 (ほうせん)
名の知れた春画師、しかし本人は女が苦手なED男。春画の手本にした女性が殺害され、彼女の捜索を依頼するため同じ長屋に住む「当て屋の椿」を訪れる
椿 (ツバキ)
なくしものを何でも探し当てる「当て屋」を営む女性。少女のような外見ながら、幅広い知識と卓越した推理力を持ち合わせ、人の死を前に全く動じない。謎多き女
侘助 (わびすけ)
鳳仙・椿と同じ長屋の住人、妹の菖蒲とふたり暮らし。無類の女好きながら全くモテず、椿にセクハラかましては殴られる毎日
菖蒲 (あやめ)
侘助の妹。春画師の鳳仙を「長屋の星」と持ち上げ、将来は美人画を描いてもらい有名になって金持ちに見染められて結婚、するつもりのしっかり者
柳 (やなぎ)
鳳仙・椿と同じ長屋の住人、魚河岸で魚をさばいて日銭を稼ぐ貧乏浪人
花菱 (はなびし)
鳳仙・椿と同じ長屋の住人、目が見えない三味線の師匠。柳の想い人
篝 (かがり)
吉原の遊女で椿の親友。未来を予言する巫女でもあり、彼女のご託宣をもらうために大店の旦那たちが列を成すほど。心の成長が幼子のまま止まっている
竜胆 (りんどう)
椿とは古い付き合いらしい関西弁の女医。時に思いを秘めてしまう椿に対して竜胆は直情的、言いたいことはズバズバ言うタイプ。隠れて禁令の堕胎医もやっている
日輪 (にちりん)
竜胆の助手、椿とも古い付き合い。軽く斬られたくらいじゃ動じないタフガイ、超無口
イノ
顔に大きな×字の傷がある女性。死人の衣服を安く買い取る湯灌場(ゆかんば)買いだったが、とある事件で奉公していた古着問屋は潰れ、鳳仙が暮らす長屋へ……
▼ 感想と評価
エログロが売りっぽい漫画だけど、それだけじゃない、涙と笑い、そしてミステリーとが混ざり合った質の高いエンターテイメント作品。
常識では説明が付かないような怪事件を、当て屋の椿が卓越した推理力で解決していくミステリー。それと、何だかんだと首を突っ込んでは事件に巻き込まれるお人好しの春画師・鳳仙。
最初はエロ目的で見てたけど、読めば読むほどその奥深さに魅せられる。
各話で登場するメインキャラは犯され、殺され、辱められて、最後には関係者全員が不幸になって終わるという、おおよそ救いのないストーリー。
そんな悲劇の渦中、微かに光る人の想いの強さと美しさ。それがこの作品に惹かれる理由かもしれない。椿と鳳仙、長屋住人のギャグな日常もこの世界の暗さを和らげてくれる。
ただ、グロい殺害シーンとエグいストーリーには要注意。
あと、若干ファンタジックな結末も有り。
【ストーリー評価】★★☆(良作!)
【グロさレベル】★★☆(中グロ!)
◆◆◆ 当て屋の椿 ◆◆◆
【漫画作者】 川下寛次
【連載】 2008年 ~