【タイトル】 殺し屋イチ
【漫画作者】 山本英夫
【ジャンル】 エログロ漫画
【発売日】 1998~2001年
【掲載誌】 ヤングサンデー
【構成】 6~10巻
ヤクザ組長と愛人を殺し、金庫の金を盗んだ窃盗団。なぜか現地(歌舞伎町)から逃げずにヤクザたちを翻弄。盗まれた金を追う組若頭・垣原、窃盗団のメンバーを追い詰めてゆくも、その前には最強の殺し屋イチが……
▼ あらすじ
● 6巻
カレンの情報から、龍(ジジイの仲間)の女・ミユを見つけ出した垣原組
スタンガンで応戦するも、二郎・三郎相手には歯が立たず
三郎に乳首を切り取られ、二郎に乳房を殴り潰され……
ミユのケータイから呼び出された龍、あっさり捕まってしまう
ミユの命乞いのため、アジトを白状
その後、拷問の技を競いはじめた二郎・三郎に耳を引きちぎられ、金玉を潰され
彼女・ミユに謝りながら絶命
龍の命乞いもむなしく、健気な女ミユも二郎の全力顔面パンチで……
龍がゲロった、ジジイ一味が隠れているタイ人街ホテル
パシリで確かめにきた金子
ジジイの指示で逃げようとした昇と正面対決に
しかし金子、ふだんの男前っぷりとはウラハラに、発砲音におびえ逃げられてしまう
ホテルから脱出した昇、今度は垣原と遭遇
どエム垣原をナメてかかった昇
何度殴っても平然と立ち上がる垣原に、次第に冷静さを失ってゆき……
● 7巻
結局、垣原に捕まった昇
「こっちは勝手にやってるから、オマエの知ってることでオレたちの喜びそうなこと思いついたら、適当にしゃべってくれ」
投げやりな垣原に、人体改造の実験台にされてしまう
松茸を裂くように、ペニスを縦方向にサクっと切られ……
高校時代の悪夢、かばってくれた女子がレイプされる夢で目が覚めたイチ
ビンビンに勃起するも、相変わらず射精はできず
そこに、いつもの間違い電話、テレクラ回線(すでに廃業)から電話がかかってくる
「私な… 高校ん時… 輪姦(まわ)されたんよ」
昔語りをする女、それはイチの経験と酷似していた
「いっそのことイジメられっ子にも犯されて、救いようのない私になりたかったんよ」
「きみは犯されたかったの? その人に」
「気持ちなんて関係ない。人が人を犯すという事実だけがあればいいの
アナタがヤリたいからヤルんでしょ。それが妄想の力でしょ。相手など関係ない自分勝手な思い込み……」
彼女の言葉に悟りを開いたイチ、溜め込んだモノが一気にドクドクっと……
ひとり逃げおおせていたジジイ
射精してスランプを脱したイチに、いよいよ垣原組皆殺しのための最後の指令を出す
封筒を手渡し、指示した(開封した)写真の人物を始末させる手筈
全ては、ジジイの描いたシナリオどおり
「イチによる平和な新宿(ハイキョ)計画」のとおりに進んでいた……
スプリットタンならぬ、スプリットチンにされた昇
失意の中、今度は怪力自慢したい二郎の餌食に
「腕力だけで腕を引きちぎれるかどうか」というチャレンジに付き合わされて……
● 8巻
昇の両腕を引きちぎった怪力・二郎の前に現れたイチ
特製シューズ(刃物)を抜きとられたり、足を掴まれたり、顔面殴られたり
苦戦しながらも、脚力だけで両腕をへし折り、首の骨をへし折り勝利する
ジジイの指示通り、昇も始末して……
二郎の死に「俺が殺すつもりだったのに!」と激怒する三郎
現場に駆けつけた頃には、イチはすでに逃走
いつもの様に、きっちり射精を済ませてのち
まだ組に残っていたボンクラ藤原は、死体処理の車でトンズラ
残るターゲットは、垣原・金子・三郎の3人のみ
カレンの情報により、鈴木(船鬼一家の幹部)が殺し屋を雇ったことが判明
二郎が殺された怒りを、 鈴木にぶつける三郎
鈴木の脳天からドスでグッサリ
ついでに、鈴木が病室に連れ込んでいた女のアソコにもグッサリ……
● 9巻
カレン情報により、イチがヤクザマンションに潜んでいることが判明
船鬼一家所有の部屋をひとつひとつ、しらみ潰しに探る垣原
とうとうイチと遭遇
盾となり垣原を逃がす三郎。落としたドスを拾おうとした瞬間、イチの蹴りが一閃
かわしたつもりが、カッパのように「頭の皿」が落ちて……
恋焦がれたイチと相対した垣原
イチの一方的暴力に見とれるも間一髪、特製シューズの刃先を大口開いて回避
反撃に、鉄串でイチの鼻先をブスリ
イチのトランス状態(いじめっ子にキレてる状態)が解けてしまう
さらにイチの背後に現れた金子、ヘタレのくせに勇気をふり絞ってイチに発砲
弾丸は、イチの防具を直撃
友達だと思っていた金子に裏切られたイチ、ふたたびトランス状態に……
● 10巻(最終巻)
金子を殺し、完全にイっちゃった殺し屋イチ
イチとの対峙で、初めて痛みを快感ではなく恐怖として認識した垣原
絶妙なタイミングで垣原に情報を流していたカレン
そして、裏からあらゆる人を思いのままに操っていたジジイ
ヤクザマンションを巡る騒動もいよいよ決着の時が……
▼ 感想と評価
20年くらい前の漫画だけど、今読んでもやっぱり面白い
味方面していたジジイが、実は全員始末するつもりだったというのは想定外
ジジイが実は30代だっていうのも
自分が死んだ後に、楽しいことが起こるのが許せないって
なかなか理解不能な境地ではあるけれど
ここまで極端ではなくとも、そういうタイプの人間は確かにいるよね
超絶めんどくさいタイプのヤツ
いじめのせいか、記憶が飛んじゃうイチ
ジジイにありもしない記憶をインプットされ、いいようにコントロールされた殺人マシン
いじめのトラウマって、一生引きずるんだろうねぇ
一時的に抑えることはできても、怒りが消えることはない
仕返しでもしない限りは、例え妄想であっても
「相手の気持ちよりも、自分がどうしたいか」っていうのは、まさにそのとおり
相手が改心したかどうかなんて関係ないから
日本の法律だと改心すれば減刑されるらしいけど、被害者の気持ちは……
まぁ、そんな感じでストーリーも楽しめたし、学びもあったり
頑張れば一日くらいで読破できるから、興味ある方はぜひ!
【ストーリー評価】★★★(名作 !!)
【グロさレベル】★★☆(中グロ!)
◆◆◆ 殺し屋イチ 6~10巻 ◆◆◆
【漫画作者】 山本英夫
【発売日】 1998~2001年