【タイトル】 監禁嬢 4巻
【漫画作者】 河野那歩也
【ジャンル】 エログロ漫画
【発売日】 2017年 10月
【掲載誌】 アクション
【構成】 第26~34話
カコの正体が全くつかめない裕行、目的のためなら誘拐だろうと殺人だろうと手段を問わないカコ。その犠牲となったのは彼女の忠実なコマだった柴田と元恋人の皮谷だった……
▼ あらすじ
● 第26話 家族
5歳で母を亡くして、それ以来父とも離別、祖母の家で育てられた柴田茜「絵の中なら、お父さんとお母さんに会えるもん」と無邪気な笑顔で
18歳になると、父から「1,150万、これまでかかった養育費を帰して欲しい」と言われ「アンタを父親と思ったことは一度もない」と離縁。涙を流しながら……
そんな柴田茜、一児の父・皮谷に刃を突きつけるカコに、
「カコちゃん待って!私にもやらせて」と震えを押し殺して……
● 第27話 ペン
態度が一変した茜をいぶかしみながら「…いいよ、じゃあ見せてもらおう。君の覚悟を尊重するよ」と血まみれになった凶器(カギ)を手渡すカコ
皮谷をいたぶりながら手をすべらせた柴田、カギを投げ飛ばしてしまう
しかしこれは彼女の作為、カギを拾うフリをしながら隠し持ったGペンをカコの喉元へ。間一髪でかわしたカコにタックルを食らわしマウント
「ねぇ、茜ちゃん… あんなクズのために何で?」と問い質すカコに、
「わかってる!どうしようもないクズだよ。それでも家族はクズの帰りを待ってるの!」とカコの肩にカギを突き立てる……
● 第28話 手
近くに転がるGペンに手を伸ばしたカコ、柴田の喉にザクッっと一撃
錯乱する柴田にマウントを取り返したカコ、自分の武器(カギ)を取り返すと傷口にもう一撃、切り裂くように押し広げ致命傷を与える
それでも息をヒューヒューさせながらカコにつかみかかる彼女
最後の最後で脳裏に走ったのは、母に甘える幸せな記憶だった……
恐怖しながら成り行きを見守っていた河谷「お願いしますっ!助けてくださいっ 家族がっ……」と命乞いするも、カコが許してくれるはずもなく……
(第24話の最後に戻る)
● 第29話 違和感
柴田先生・皮谷先生不在のまま(もう死んでるから)始まった文化祭
「ヒロくんにひとつだけ聞きたいことが…」とマスクで顔を隠してやってきた葵。すぐさま麻希にみつかり一緒に見て回ることに(ウマが合う2人)
一方、生徒会役員の田原成美は、仲間から仕事を押し付けられてひとり放送室に
そんな彼女を、顧問(柴田)をよそおい美術室に呼び出すカコ……
● 第30話 潜入
裕行が教師になったことも結婚したことも人づてに聞いていたという葵
しかしどうしても気になるのは裕行が選んだのが親友(大学の同級生)美紗子だったこと「美紗ちゃんの何が良かったん?」とその理由を裕行に問いただす……
一方、成美を美術室におびきだしたカコ
気絶させたか、殺したか、放送室の鍵を奪い取ると女教師風に変装して放送室へ……
● 第31話 歌
カコが用意した大ヒント、それは葵が大学時代に初めて作った曲
放送室をジャックして、校内放送で堂々とその曲を流すカコ。それに気づかないはずがない裕行と葵「音源は私の家くらいにしかないと思うねんけど何で…」
過去の記憶がよみがえる裕行
時はさかのぼり6年前……
大阪の田舎の教育学部で、寮から大学に通っていた裕行。学園祭のライブで葵にひとめボレ、すぐさま友達になり、その一年後、映画に誘いがてら彼女に告白……
● 第32話 夢
そんなこんなで付き合い始めた2人、すぐさま「深い仲」に
ただ、ベッドの中で「大好き」と言われるたび「試されているようで、求められているようで、少し怖かった」と当時をふりかえる裕行
大学を卒業して、いっしょに東京に出てきて、小説を書き続ける彼を支える葵
しかし、コンビニでバイトして生活費を入れる裕行に「やめてやヒロくん、こんなん全然うれしないから」と仕事を辞めさせしまう……
「ヒモ」となって小説を書き続ける裕行
そんなある日、新人賞に応募するも落選して(今回で6度目)腐る彼の元に、葵の「バンドデビュー決定」の一報が届く……
● 第33話 執着
「別れよう」と切り出した裕行
「何でやねんっ 何が不満なん? わたしはヒロくんのために働いて…ヒロくんの好きなことだけできる様にしてるやんっ…」噛みつく葵に、
「それがキツイんんだよ。オレは働かないで小説だけして…お前は働きながら音楽やってんのに…その結果はどう? 何でだと思う?……才能だよ」と
大金(10万くらい)を渡して「これでお前に借りはない」を部屋を出ていこうとする裕行を、泣きすがって止める葵「別れたらわたし 死んだんねん」と……
過去回想は終了、現在に戻って葵の質問に応える裕行
「オレはお前の望むオレでいることが出来なかったんだ」と……
● 第34話 音源
「美沙ちゃんの何が良かったん?」との葵の質問に応える裕行
今度は美沙との過去回想へ
「ねぇ、美沙子。なんで何も言わないの? バイト減らしてもっと小説書けとか…早くあきらめて定職つけとかさ……こんな中途半端で甲斐性なしの男なのに」
対して美沙子は「ヒロちゃん基本もがいてるやん? どんな状況でも理想の自分に近づくために。仮に小説やめることで君が君でなくなるんなら書いていてほしいなって思うけど……
でもたぶん、やめてももがく君は変わらへん。そやからウチはどんなヒロちゃんでも、それがヒロちゃんなら別にいい」と……
でもって再び現在へ
「俺は美紗子といることで満たされたんだ…満たされた俺に小説は必要なくなった。おもしろい答えでも納得いく答えでもないことも分かってる……
でも、これがお前の聴きたいことのすべてだよ」
ここで葵の歌(大学時代の学園祭ライブの音声)が終了
続いて流れはじめたのは、葵と裕行の生々しい「その後」
ベッドの中でイチャイチャする話声からセックスの真っ最中の喘ぎ声まで、校内放送で流され全校生徒に聞かれてしまう
そして裕行は「教師という役」を失うのであった……