ぼくは愛を証明しようと思う。3
【漫画作者】 藤沢数希・雲井くず
【ジャンル】 エロい漫画
【発売日】 2018年 4月
【掲載誌】 月刊アフタヌーン
【構成】 第13~23話(最終話)
鉄は熱いうちに打て。デートしたその日にセックス、それが恋愛工学。確実に恋愛工学をものにしてゆく渡辺、ようやく1人の娘とセックスまでこぎつけ、あっという間に立派なナンパ師に……
▼ あらすじ
● 第13話 進撃と停滞
「すべての恋愛は確率論なのだ」
次々女をおとしてゆく渡辺
恋愛工学を知らない者は単なるギャンブルをする
知っている者は計算されたリスクをとる
知らない者は割に合わない投資をやめられない、知っている者は割に会わなければストップロス(損切り)する
それは恋愛も同じこと
恋愛工学のハイテクを投入して、それでも相手がなかなかセックスさせてくれなかったらストップロスして次に行く
そして女は好きな相手とセックスするのではなく、
セックスした相手を好きになる
ヒナ鳥が最初に動いたものを親鳥と思うように、恋人がいないとき最初に性器を貫いた男を運命の人と思いこむ習性があるとか……
(セックストリガー理論と言うらしい)
これが永沢の言うところのセックストライ&ストップロス戦略
調子に乗った渡辺、同僚の人妻・水野友美にも手を出して……
● 第14話 誰がために
年上人妻をゲットして絶好調……から一転、どんなにテクニックを駆使して誘ってみても相手にされないスランプに
「…最近うまくいかないんですよ」と永沢に相談
「お前、何を目的にナンパしに行くんだ?
恋愛プレーヤーは人々をいい気分にさせるために街に出るんだ。俺たちは女を喜ばせるためにナンパしないといけない。
時に女をあしらったりしなければいけないのは、彼女たちが俺らに男として惹かれたとき、それに応えて褒めてやるためだ。
本当の意味で女を喜ばせるためなんだ。
『いい女とセックスするなんて朝飯前』ぐらいのレベルの高い男に見初められることによって、その女は何日もいい気分でいられる。
恋愛工学の目的は女のハートに火をつけること。
そして俺たちに抱かれたいと渇望させること。
女は売り物じゃない、俺達のほうがショールームに並んでいる商品なんだ……」
● 第15話 失っていた才能
永沢の説教に、考え方を改めた渡辺
「5歳の男の子はみんなナンパの達人だ」
その無邪気な瞳を参考に、下心を隠してナンパ再会。すると前日までのスランプがウソだったかのように次々女がひっかかり……
● 第16話 恋のACS
何百人の女に声をかけ、たまたま自分に興味を示してくれたBクラスの女10人とセックスするより、狙ったAクラスの女一人とセックスするほうが難しい
さらなる高みを目指す渡辺に、
永沢が語りだしたのはACS理論
最初のAフェーズはアトラクション(attraction=魅了)男として女を魅了し「もっと知りたい」 「また会いたい」と思わせる場面
Cフェーズはコンフォートビルディング(comfort-building=なごみ)女となごんで信頼関係を作る。つまりラポールを形成する
最後はSフェーズ、セダクション(seduction=性的魅了)で女を発情させる
そしてこの順番は必ずA→C→Sでなければならない
「Bクラスはもう相手にしない。Aクラス以上の女を狙っていく」と決心した渡辺、最重要クライアントの担当者・長谷川玲子に目をつける……
● 第17話 Aを狙え
「その辺のBクラスの女にフェラチオされるくらいなら、ひとりで仕事でもしていたほうがマシだ」と心の中でつぶやく渡辺
連絡先をゲットしたAクラスの女・長谷川玲子にさっそく電話
「ちょっと用があって君の会社の近くに行くんだけど、お茶でもしない?」
近くのカフェで気軽におしゃべり
「ナンパをしているとその女が現われた瞬間、この日ヤれるかわかってくる」とか……
「今日はヤれる」と確信した渡辺
「実は私、付き合っている男性がいるの」と序盤からガードの堅い彼女を「さっそく僕に恋の相談?」と余裕しゃくしゃくで崩しにかかる
女が自分の恋人がいかに素晴らしいか語るのはよくあること
その場合、ほとんど例外なくふたりの関係に満足していないことを意味する
「私は恋人がいることをちゃんと伝えたのに、それでもセックスを迫られてしまった。私の責任ではない、私は尻軽女ではない」という言い訳
つまり、女が「素晴らしい恋人」を語り出したらチャンスってこと……
玲子の彼氏は「大学時代の友達と飲み会に行っている」とのことで「ほんとは誰か他の女と一緒にいるのかも」
勝負をかける渡辺
相手に疑念を植えつけつつ、セックスの快感を喚起させる高等テク。Aランクの女・玲子をメロメロにするほどの……
● 第18話 始まりの場所
クライアントの担当者・玲子をホレさせ仕事上でも相手を支配してみせる
渡辺はスゴ腕のナンパ師へと成長していた……
話は戻って第1話冒頭
「東京の街は僕たちのでっかいソープランドですね」と乾杯する渡辺と永沢
そこは会社社長やらCEOやらが集う社交パーティ、そして金持ち男をねらうSクラス女たちが集う場所(スカイツリーの展望台)
その中のひとり、英理花に目をつけた渡辺
永沢のカノジョ・真奈美からアシストしてもらい一瞬にしてアドバンテージを得る(自分よりイイ女と親しげに話すことで)
ついに、念願のSクラス女をゲットするのであった……
● 第19話 テクノロジーの向こう側
「恋愛工学」を学びはじめてから1年。言い寄ってくる女たちをあしらわなければならないほどモテ男になった渡辺
六本木のクラブではSランク女・英理花をはべらせVIPルームでセックス
会社では以前コケにされた女・奈美(1話参照)とトイレでセックス
「どうして最近電話くれないの?」と非難してきた玲子(得意先の担当者)を「もう終わりにしよう」と冷たく突き放す
ところが、これが大問題に……
上司に呼び出された渡辺
同席していた弁護士から「弊社の長谷川(玲子)が、あなたからセクハラ被害を受けたというので調査しておりました」と
「辞めてくれないか」とクビを宣告されてしまう……
● 第21話 ぼく自身の勇気
仕事を失い傷心のまま、ひとり旅に出た渡辺
終着駅で、知り合った女性・直子に声をかける
「どれだけ経験を積もうとも、女の子に対してアクションを起こすときは恐かった。何度経験してもその恐怖は消えない。
プロセスは人から学べるけど、必要なのは僕自身の勇気なんだ」
そして、首尾よくデートまでこぎつける
彼女との時間は楽しくて、恋愛工学のテクニックを忘れてしまうほど……
● 第22話 星降る夜に
恋愛工学を忘れ、がっついてしまった渡辺
ディナーに誘うも「一度、家に帰ってご飯食べて連絡するね」と言われ「自動迎撃システムを発動させてしまった」とガッカリしながら反省
自動迎撃システムとは、
しつこい男を振り払うための女性ならではのテク。「あとで連絡するね」と連絡先だけ聞いて、そのままスルーする……
ところがどっこい
今回は法則を越えて、ちゃんと連絡をくれた彼女。夜景見て、キスして、ラブホテル。幸せいっぱいで目覚めた渡辺
彼女・直子とは以前、東京のカフェで出会っていたことを思い出す……
● 最終話 ぼくは愛を証明しようと思う。
東京に戻り、フリーランスで働きはじめた渡辺
「仕事も恋愛と同じ、自分をいかに売り込むかが大事だ」
恋愛工学のせいで仕事を失うも、恋愛工学で学んだことを生かして仕事をゲット。愛する彼女もゲットして、順風満帆な再スタート
久々に再開した永沢に「今はもう、たくさんの女性と関係を持ちたいとは思わないんです。ひとりの女を愛することを学びたい」
自信満々で恋愛工学に別れを告げるも、
美人を見ればチンピクしてしまうのが男の性で……
▼ 感想と評価
原作がナンパのハウツー本なので、漫画の内容もハウツーがメイン
なので、ドラマチックな展開とかは期待しないで欲しい。でも「リアルなナンパもの」として読めばなかなか面白かった
量こそ少なかったけど、セックスシーンもエロかった
ここに書かれているテクニックが通用するかどうかは、実際やってみなけりゃわからない
私自身、ナンパとは無縁な男なので想像もつかないけど。まあ、ある程度のルックスがなければ通用しないことは確かだよね
でも、デブ専・ブス専なんて言葉があるように人の好みは色々
だから、実際に声をかけてみなけりゃわからない
「すべての恋愛は確率論」っていうのも真実なのかもね
原作のレビューを読むと「すばらしい」とほめ称える意見もあれば「女性をバカにしている」ってな意見もあって賛否両論
私としては、どちらかと言うと賛成派かな
人間って、慣れてることほどよく考えずに反射的に判断・行動するものだから。その心のスキを突いて、相手の懐に飛び込むテクニックとしては秀逸だと思う
恋愛慣れしている人ほどひっかかりやすい
慣れてない女性には通用しない
すなわち、この作品で言うところの「愛」とは「機械的反応・反射的行動を引き出せる関係」
「もしくはテクニック」ってことになるのかなぁ?
【ストーリー評価】★★☆(良作!)
【エロさレベル】★★☆(中エロ!)
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【漫画作者】 藤沢数希・雲井くず
【発売日】 2018年 4月