センチメントの行方 1巻
【漫画作者】 榎本ナリコ
【ジャンル】 エロい漫画
【発売日】 2017年12月
【掲載誌】 月刊バーズ
【構成】 第1~4話
とくに理由もなく援交する子、リスカする子。思春期をこじらせまくった女子高生たちの複雑怪奇な乙女心。その葛藤とセックス事情を文学チックに描いた短編集。リアリティたっぷりのエロス……
▼ あらすじ
● 第1話 神待ち天使(前編)
かつて売春していた少女
15年の時を経て、売春する少女たちを保護する立場に(NPO法人の職員)
繁華街で「ON SALL」のプラカードを掲げた女子高生を発見
さっそく声をかけるも「 商売の邪魔しないでもえる?」
追い払われてしまう
説得するのはムリそうなのでお金(2万)を出して「彼女の時間」を買うことに
そんな「優しいオバサン」に自分の事情を語り出した彼女
「父親はブラックな派遣会社、母親は病んでいて家事もできない。帰ってきた父はゴミ溜めみたいな家にいる無能な娘をイラついてボコる……
あたし家出してるの。あんな地獄には戻りたくない」
ヤバイ奴に捕まったときの言い訳もちゃんと用意していて言葉たくみに「良さそうな客」だけを選別する
しっかり者でかしこい子
「どうすればこの子を救える?」
思い悩んだNPOのお姉さん。解決策は見つからないまま「あたしもついていく」と少女を買った男と3人、ラブホテルへ……
● 第1話 神待ち天使(後編)
もちろん、3Pする訳じゃない
少女と、少女を買った男の「行為」を見守るだけ。しかし目の前の光景に、かつて売春していた頃の自分がフラッシュバック
「やめて!!」
叫び声をあげるNPOのお姉さん
そんなお姉さんを気づかい、セックスは「おあずけ」にした少女
男を納得させるため、自分がオナニーしているところを見せながら、男にもオナニーさせてその場を丸く納める、ホントにかしこい子
ホテルを出てのち
「ごめんね…あなたを救ってあげられなくて…」
涙を流すお姉さん
「あんたはあんた、あたしはあたし、自分を重ねないで。あんたは自分が救われたいだけ、取り返しがつかない時間を取り戻したいだけ」
辛らつな少女、新しいお客さがしに夜の町へと消えてゆく……
● 第2話 フランケンシュタインの娘
部屋にひきこもってエロ漫画家ばかり描いているオタク
そんな男のアパートに、無警戒にあがりこんできたのは制服姿の美少女。布団に寝ころがって、勝手にマンガ読んで、かってにガチャひいて……
下ゴコロを悶々とさせながら、
根がまじめで優しすぎるこの男
「エロ漫画なんて描いてる男の部屋に、女子高生ひきずり込んだなんてバレたら…」なかば彼女のためを思って追い出そうと……
その馴れそめは、男がSNSにアップしていた絵を気に入って、
SNSにアップしていた写真から近所だって気付いて、
でもって押しかけてきたという
ヤバイ臭いがプンプンする少女
「わたし、お父さんとセックスしてるの。普通じゃないってわかってるけど、気持ちよくって止められなくって、生理もこなくって……」
泣きじゃくりながら身のうえを語りはじめる
やさしい男が放っておけるはずがない
それが、計算ズクのハニートラップだと気付くはずもなく……
● 第3話 さきだつ不孝(前編)
ボッチで存在感のうすい高校生・生方千年(うぶかたちとせ)
同じボッチながら「孤高の美しさ」があるクラスメイト・八月朔沙希(ほづみさき)にひそかに憧れをいだく思春期男子……
とある日、クラスメイトから庭そうじを押し付けられた生方
ひとりで落ち葉を集めていると、2階の窓から女性のオッパイが
思わず、その教室まで見に来ると、そこにいたのは八月朔さん。シャツのボタンを外し、ブラをずり上げ、
待ちかねたように、
「生方くん、あなたがずっと私のこと見てたの、知っていたわ
……私とセックスするとこ想像した? 私でオナニーした? わたしに触って」
その誘惑に乗っからない理由がない生方くん
張りのある乳房をもみしだき、机に座って股を開いた彼女のクリトリスに舌を当て、たまらず中に舌を入れようとした刹那、
肩をけっ飛ばされて「中はダメよ」と……
● 第3話 さきだつ不孝(後編)
そんなこんなで八月朔とのヒメゴトを続ける生方
セックスはもちろん、中にユビを入れるのもNGという条件つきだけど。だけど、それでガマンできるはずがない思春期男子
とある日、抵抗する彼女を押さえつけムリヤリ挿入
事が済んでから「ごめん…」と理性を取りもどした男
意外と冷静な彼女のワレメからは、精液がドロっと……
それから一月
学校を休んでいた八月朔から呼び出された生方
「あなたの精子は着床しなかったわ、昨日生理が来たの。だから安心して」晴ればれした表情で、これまで通り関係を続けようと
彼女が求めるものと、彼が求めるもの
その違いは埋めがたく「こんなの無為だよ」と……
● 第4話 永いお別れ
夜のオフィス
ひとりパソコンに向かって残業していたOLに「おつかれ 永野さん。今日もがんばってるね」とコーヒーを差し出した課長
そのコーヒーに口をつける間もなく、
彼女の肩を抱いて奥の応接間へ。流れるようにオフィスラブ……
そんな流されタイプの永野さん
課長との不倫がストレスで体調不良に。心療内科のカウンセラーに語って聞かせたのは、同じような過去のくり返し……
まだ学生だった頃の彼女
放課後、好きな先生と教室で2人きりに
なかばムリヤリ犯されて、身勝手な理屈で口止めされて。それでも「そんなつもりじゃなかったと言えばウソになるから」と自分に言い聞かせ
気持ちが冷めてもカラダの関係だけは続いてしまう
「わたしもそのつもりだった。普通に愛してほしかった」
泣きながら思いのたけをぶちまけた彼女
過去の自分と向き合い、今の関係を清算するのであった……