狼の口 ヴォルフスムント
【漫画作者】 久慈光久
【ジャンル】 エログロ漫画
【発売日】 2010~2016年
【掲載誌】 ハルタ
【構成】 全8巻
14世紀のアルプス地方、オーストリアの圧政を退けるべく暗躍する盟約者団。狼の口と呼ばれる峠(関所)を越えようとするも犠牲者ばかり。通行証偽造がバレた者は見せしめのため、ひどく残虐な拷問にかけられ……
▼ あらすじ
● 第1話 リーゼとゲオルグ
14世紀初頭のアルプス地方
ウーリ・シュヴァイツ・ウンターヴァルデンの森林同盟三邦はオーストリアの圧制の下、自治権を奪われかける
オーストリアに反旗を翻した領主は即座に処刑され
その娘リーゼは、父の部下とともにミラノ方面への逃亡を図る
そのためには、狼の口(ヴォルフスムント)と呼ばれる関所を越えねばならなかった
狼の口の代官・ヴォルフラム
「彼の眼をごまかして通り抜けられた者は1人もいない」と言われていた
自慢の髪を切り落とし、垢まみれの服で、馬の糞を塗りたくって身分を偽るも……
● 第2話 ヨハンナとクラウス
三邦独立のため暗躍する盟約者団のひとり、馬借元締クラウス
部下で恋人、ウーリ最強の女闘士ヨハンナに「これを届けて欲しい」と印章を手渡す
同志が軍資金を引き出すための必要なもの
「お前でなければ、あの峠(ヴォルフスムント)は越えられない」と頼まれて
後ろ髪ひかれる思いで主の下を離れたヨハンナ
しかし偽造の通行証は、ヴォルフラムの姦計により見破られてしまう
捕らえられた彼女。牢抜けして関所から逃げる直前、背中に剣を突き立てられ……
● 第3話 ヴィルヘルムとヴァルター
盟約者団の英雄、ヴィルヘルム・テル
80歩離れた息子の頭上のリンゴを射抜いたという弓の名手
その息子・ヴァルターと共に、ヴォルフスムントを越えるべく立ち上がる
関所を通らず崖から通り抜けようとするヴィルヘルム
しかし山道には、図ったようにヴォルフラムが待ち構えていて……
● 第4話 ハンスとエヴァ 前編(2巻)
村一番の美人・エヴァと結婚した居酒屋の主・ハンス
しかしエヴァは気位が高く、指一本触れさせてもらえなかった
エヴァを抱きたくて、彼女の好きな装飾品を贈り続けるハンス
その資金を稼ぐため、ハンスの店を利用していた盟約者団を密告……
● 第5話 ハンスとエヴァ 後編
とある日、装飾品を見せびらかすべく村を練り歩いたエヴァ
密告で稼いだ金で買ったものだとは知らずに
あわててハンスが連れ戻すも後の祭り。盟約者団に目を付けられてしまう
オーストリア軍に泣きついたハンス
通行証と路銀を渡され、国外に逃亡を促されるも、ヴォルフスムント前の宿屋で……
● 第6話 ツェーデルとユヴェール
旅芸人ツェーデルとその娘ユヴェール
盟約者団の連絡要員として、イタリア方面から三邦への入国を図る
荷物はもちろん、膣の中まで隈なくチェックされ
さらに、生娘のユヴェールの膣まで調べると言い出すヴォルフラム
それを止めない母親を怪しみ入国拒否。娘だけ通過させる
深夜、堀の湖から密入国しようとしたツェーデル
あっさり見つかり湖で凍死
娘・ユヴェールをかばった宿屋の女主人もヴォルフラムの罠に引っかかり……
● 第7話 アルベルトとバルバラ 前編(3巻)
父ヴィルヘルム・テルの死を乗り越え、盟約者団の主要ポストについたヴァルター
盟約者団による「狼の口攻略」を前に、再度峠越え申し出る
同志と連係を取るために
前回の失敗を踏まえ、ヴォルフラムの引きつけ役を買って出たアルベルトとバルバラ
ヴォルフラムに村を焼かれ両親を吊るされた恨みがある兄妹で……
● 第8話 アルベルトとバルバラ 後編
たった2人でもヴォルフラムの首を狙うアルベルトとバルバラ
成功するはずもない無謀な試み
妹・バルバラは門衛長に顔面が潰れるまで殴られ
兄・アルベルトは鉄格子に挟まれ身動き取れず、妹の無残な死にざまを見ながら……
● 第9話 ヴァルターと命の同志
アルベルトとバルバラが囮になっている頃、峠越えを決行したヴァルター
ロープをくくりつけた矢を岩の割れ目に打ち込み道を作る
曲芸的ロッククライミングで頂上目指し
崖の見張り兵に見つかるも、命からがら峠を越えて……
● 第10話 ヘートヴィヒとヴィルヘルム
峠越えの手口から、ヴィルヘルム・テルかその息子の犯行とにらんだヴォルフラム
妻・ヘートヴィヒと父の名を継いだ次男・ヴィルヘルムを拷問にかける
爪を全て剥がし、息子に熱湯をぶっかけ
父親を殺されても口を割らない(知らない)ヘートヴィヒ
最後は見せしめのため、母子ともども狼の餌に……
● 第11話 ヒルデと牧童たち
そして始まる「狼の口攻略」
三邦のある関所北側と、締め出され戻れなくなった同士が南側(イタリア方面)から挟撃
ヴァルターは峠越えに使った技術で、崖から内部に侵入
ヴァルターに同行した女闘士・ヒルデの獅子粉塵の活躍により北の砦は陥落する……
● 第12話 100年前の話~ローゼと子山羊~(4巻)
100年前、まだオーストリアによる圧制が始まる前
関所が設置される前の狼の口
頻繁な落石・落雷により、とても人が通れるような状態ではなかったけれど……
● 第13話 フリードリヒとレオポルト
狼の口の攻防が繰り広げられていた頃
森林三邦に圧制を敷いていたオーストリア公弟レオポルト
謀叛鎮圧にてこずる兄フリードリヒへの加勢に向かい、三邦の反乱は知らないまま……
● 第14話 クルトと飛竜
数では圧倒しているものの、堅固な関所門の攻略に手こずる盟約者団
鉄格子を開けるため、空からの突入を決行した山羊飼いクルト
「竜」と呼ばれる筒状の凧に乗り、屋根から建物内部に侵入
跳ね橋を下ろすことに成功してのち、すぐに捕まり……
● 第15話 薪束と鉄砲(5巻)
薪束を抱えた闘士が最前線に突撃、死体と薪束で橋を作りながら堀を突破
鉄格子は、爆薬抱えた人間が神風して突破
追い詰められたヴォルフラム、降伏を叫ぶ兵士を処刑。恐怖政治で支配するけれど……
● 第16話 東棟と西棟 前編
本丸東棟を制圧した盟約者団
ひき続き、ヴォルフラムがいると思しき西棟を攻略
所々仕掛けられたタチの悪い殺人ギミック、多数の犠牲者を出しながら突破してゆき……
● 第17話 東棟と西棟 後編
西棟の制圧完了、勝鬨をあげる盟約者団
ところが、棟内どこを探してもヴォルフラムの姿はなく……
● 第18話 ヴァルターとヴォルフラム 前編
身軽さを活かし、大屋根の内側を探査するヴァルター
護衛にヒルデひとりが付いて
レンガの壁をコンコンしながら地道に進むと、隠し部屋を発見
空室かと思いきや天井に忍んでいたヴォルフラムの不意打ち、ヒルデは心臓を貫かれ……
● 第19話 ヴァルターとヴォルフラム 中編(6巻)
思いのほか手練れなヴォルフラムに、劣勢のヴァルター
捨身の突撃でヴォルフラムの両腕をへし折るも、内臓を突かれて重傷に……
● 第20話 ヴァルターとヴォルフラム 後編
悪運尽きたヴォルフラム
執行者として立ち続けた処刑用の広場に、今度は受刑者として縛り付けられ
虐げてきた三邦の民から報いを受ける
肛門に木杭を打ち込み口から貫通するまで打ち続ける、残酷極まりない処刑方法で……
▼ 感想と評価
中世ヨーロッパを舞台にした漫画
ヨーロッパの歴史ものってあんまりないよね、漫画では
中世風ファンタジーはあり過ぎるほどあるけど
武器とか、拷問方法とか、戦術戦法とか、日本の戦国ものとは違っていて面白かった
歴史的背景とか、風習とか垣間見れるのも良かった
1~3巻までは、 狼の口(関所)を通過しよと試行錯誤した人々の悲劇
4~6巻までは、 狼の口攻略と宿敵・ヴォルフラムとの対決
7~8巻までは、圧制を敷いてきたオーストリア軍を撤退させるまで
当サイトの趣旨から3巻までの紹介でストップしようと思ったけど
中途半端なので、節目の6巻途中まで書いちゃった
7・8巻(最終巻)も十分面白かったけど割愛
エログロと言えるのは3巻まで。エロ要素は少ないけどね
6巻までは拷問的グロ。以降は普通の戦争もの
個人的分類ではそんな感じです。興味ある方はぜひ!
【ストーリー評価】★★☆(良作!)
【グロさレベル】★★☆(中グロ!)
◆◆◆ 狼の口 ヴォルフスムント ◆◆◆
【漫画作者】 久慈光久
【発売日】 2010~2016年