【タイトル】
CATERPILLAR キャタピラー 11巻
【漫画作者】 村田真哉・速水時貞
【ジャンル】 エログロ・バトル
【発売日】 2018年 6月
【掲載誌】 ヤングガンガン
【構成】 第90~最終話
【こんなマンガ】
クルーズ船でのバトルも大詰め。鳳蝶の正体は、憎っくき柳亜貴穂ではなく稲生美香。死に別れたはずのイモムシの姉。しかし誰より優しかった姉さんが、銃口を向けたのは実の妹であるイモムシ……
11巻 あらすじネタバレ
● 第90話
死に別れたはずの姉・美香と再会したイモムシ
しかし誰よりも優しかった姉さんが、最初にかけた言葉は妹への憎悪……
「どうして姉さんが生きてるのか、どうして姉さんが私に銃を向けてるのか、全然わからないんだ。でも…私が今生きてるのは姉さんのおかげだ。
姉さんがいなかったら私はとっくに死んでる。
だから、姉さんにだったら殺されても構わない……」
絞り出すようなイモムシの言葉に、
「ほざくな 自分のことしか考えられない薄汚いイモムシが」
ヒートアップして銃口を押しあてる美香
「毎日毎日毎日毎日、散々なぶられて慰み者にされてよォ…それがどんなにみじめな気持か、てめえに理解るのかよ あぁ?」
姉妹ゲンカの途中、パラポネラがいなくなっていることに気が付いたハナカマキリ
注意をうながす前に、
美香の背後から現われたパラポネラ
彼女の腹部をブレードでグサッと、致命傷を与えてしまう……
● 第91話 これで良かったんだろ
どんな攻撃を食らっても立ちあがる、不死身の男・パラポネラ
稲生美香の腹を貫き、怒りくるうイモムシを殴り飛ばして蹴りたおし、銃口を突きつけてトドメの一発を放つその直前
狂人の笑みを浮かべたまま息絶えていた……
瀕死の姉の元に戻ってきたイモムシ
「これで良かったんだろ 姉さん……」
● 第92話 姉さん
クルーズ船・鳳蝶の最上階
「塚土 vs. 岩峰」の師弟対決
岩峰の放った稲妻拳(イナズマチェスト)は塚土の原子拳(アトミックチェスト)を封じて液体金属ごとふっ飛ばす
岩峰の勝利で幕引き
「さすがは原初の生命カギムシ。こんな付け焼き刃でかなう相手ではなかったか……」
最初から負け覚悟だった塚土
「何を言うのです。あえて私の得意な打撃勝負に誘ったのはあなたではないですかオサムシ。思えばいつだってそうだった……
あなたはいつだって我々後輩に対抗意識を燃やし、
同じ土俵、同じ目線で創作談義に応じてくれた……」
対して塚土「誤解のないように言っておくが、私が消えたのは高みに到達したからでも、世をすねたからでもない。
描けなくなったのだよ。
右手の故障という物理的限界によってな」
再び漫画を描くため、鳳蝶の誘いにのって腕を付け替え……
別れの余韻に浸れるのもここまで
戸塚の体内に仕込まれた小型原子炉がメルトダウン寸前、核分裂のエネルギー放出により船が爆発するまであと10分……
● 第93話 死にたくなかったらめいっぱい飛ばせ
なみだ涙で姉との別れを済ませたイモムシ
もはや用済みと、最上階は放っといてクルーズ船・鳳蝶からトンズラ。きっちり迎えも用意していて、小型船で現われたのは盟友の水黽(アメンボ)
イモムシは「死にたがり」のクモを肩に担いで
ハナカマキリは和解した師匠・キノハダカマキリを抱えて
リオックはボロボロになった岩峰と寝返ったトゲハムシを小脇に抱え
カブトムシは元教え子のクワガタ軍団とゴキちゃんを従えて
ついでに「お医者さんごっこ」好きのエロガキ・ツムギアリ3兄弟が抱えたサソリお姉さんとジガバチ博士も連れて
総勢19人で脱出
それ以外は、塚土の核爆発に巻き込まれて海のもくずに……
● 第94話 父がお世話になりました
無事、クルーズ船からは脱出したけれど、
「鳳蝶と雀蜂はつながっていると考えるのが自然です。今後なんらかの形で私たちを消しにかかるはず。そうなる前に生き残るための一手を打たなければ」
「組織」との対決を覚悟するハナカマキリ
さらなる戦いが始まるのであった……
……1年後、私立翔蘭高等学校にて
クルーズ船から脱出したクモから「蜘蛛」を引き継いだ藤井アリス
彼女をターゲットにした「クモ狩り」が行われているまっ最中(アラクニド参照)
準備室で雀蜂と相対したイモムシ
「姉さんの死について聞きたいことがあってね」イモムシの質問はスルーして、代わりに現われたのは巨針蟻(ディノポネラ)
針蟻(パラポネラ)の娘だと言う……
● 第95話 何を飲み込んだのですか?
「私と友達になってもらえませんか?」とか言いながら、
圧倒的破壊力で殴りかかってくるイカレ娘・ディノポネラ
その戦闘能力は父親のパラポネラ以上、しかし「こいつはまだガキだ。藤井アリスみたいなバケモノに勝てる訳がねえ」
反撃に出たイモムシ
しかし、その背後から雀蜂の毒針がグサっ
不意を突かれて意識を失ってしまう……
藤井アリスと「友達」になりに向かうディノポネラに、
何かを言いかけて飲み込んだ雀蜂
「何を飲み込んだのですか?」と現われたのはハナカマキリ。2人のバトルを気配を殺して見守っていたイモムシの相棒……
● 第96話 夢かよ
「もしお前がその気なら、今ここに倒れていたのは俺だったろうな」
ハナカマキリがイモムシを連れ帰ることを見逃す雀蜂
「急いだほうがいい。
もう間もなくこの学校は、軍隊蟻による姦染(パンデミック)の苗床になる。
……とっくに調べはついているんだろ? 一年前のディスキャタピラ、今回のクモ狩り、姦染もボスの指示による大規模人口削減計画の布石。
その無茶をボスに強いるほどの強大な力を持つ『敵』が存在する……
王が必要だ。
オレよりもボスよりも強い力で『組織』を統べる、次代を担う王の存在がな。
ハナカマキリ、お前の役割は王の支えとなることだ。イモムシを鳳蝶のワナから生還させたその類まれなる王佐の才で、王が道を誤らぬよう導いてやってくれ……」
そんなこんなで、ハナカマキリに担がれアジトに戻ったイモムシ
彼女が雀蜂の毒で眠っていた間、ナカマキリの童貞を奪うエッチな夢にひたっていた間、外で広がっていたのは「軍隊蟻による姦染」
ところ構わず、相手かまわずセックスする町の人々……
● 最終話 一切他者の委ねるな
翔蘭高校から始まったパンデミックは、あっという間に広がって、狂暴化した男たちが女を襲い、犯し、感染はさらに蔓延
阿鼻叫喚の中、イモムシとハナカマキリは……
11巻 感想と評価
という訳で、キャタピラー完結です
最初はシリアスなエログロ&バトルとして始まり、途中から作画担当の人が変わって、ちょいコミカル寄りになったような気がする
ストーリーはずっと同じ人だから雰囲気の問題かもだけど
ちょうど作画が変わったタイミングでバトル中心になっていくから、過激さ(エロさ)減は流れだったのかもしれんけど
もうちょいエログロ強化して欲しかったかな
バトルものとしては「主人公が成長することでライバルを倒す」みたいな王道パターンからは大きく外れている
最初から最後までパラメーターのインフレなし
最初から最後までイモムシが強かっただけの話
そこが少し物足りなくはあるけど、インフレがないからこそバトルに多様性が生まれる。本編のアラクニドはそんな感じだった
でも、キャタピラーは終始「力押し」だったような……
まあその分、エロ・グロ・ギャグで補っているのかもネ
最近のマンガでは面白いほうだったと思うよ
でも、終わり方はすこし中途半端
ちょうど本編であるアラクニドと同じ時間軸で終わっているから、一本化して次回作に続くのかな?
続編をにおわせた最終回だった
もし続編作るなら、エログロ強化希望デス!