【タイトル】 ありがとう
【漫画作者】 山本直樹
【ジャンル】 エロい漫画
【連載】 1994~1995年
【掲載誌】 ビッグコミックスピリッツ
【コミック】 全4巻
父・母・娘2人の鈴木家。ごく普通だったこの家庭に不良グループが入り浸り、長女はクスリ漬けの性奴隷に、中学生の次女もその毒牙にかかり……
▼ あらすじ
● コミック1巻
父は海外に単身赴任、めったに家に帰ることはなく、母はローンの残ったマイホームを守りながら年頃の娘2人を育てる
ごく普通のありふれた一家…… のはずだった
とある日、美人で有名だった高校生の長女・昌子は不良グループにダマされ輪姦されてしまう。そのまま昌子の家に上がり込んだ男たち、彼女をクスリ漬けの性奴隷に……
男たちがやりたい放題に昌子をレイプていたその隣の部屋では、中学生になる昌子の妹・貴子がひっそりオナニー。その姿をカメラに収めるカクマ
不良グループのボス・カクマがこの貴子をも毒牙にかけようとしたちょうどその時、ずっと不在だった父が単身赴任を終え帰宅する……
見知らぬ男に犯される愛娘と、我が家の惨状を目の当たりに父。不良たちには鉄拳制裁、ガタイのいいカクマの口にケーキナイフをブチ込み、家の中から追い払う
しかしこのままでは収まらないカクマ、暴走族を引き連れ鈴木家をとり囲む。電気配線を切断され、家の中は真っ暗に……
そんな中、「昌子の誕生日を祝う」とすっとぼけたことを言う父。全てに無反応な母、クスリで頭が回らない昌子、ひとりまともな貴子……
眠ったスキに父をしばり上げた貴子、家の中に残された不良のひとり「耳かき男」を解放する代わりに暴走族にもおひき取り願おうと交渉するも、それは最悪の結果に
ふたたびカクマたち不良グループに家を占拠されてしまう
昌子は裸にひんむかれ男たちのオモチャに。娘のあられもない姿に勃起してしまった父と、頭の回らない昌子を無理やりセックスさせようとする鬼畜たち
ひとり天窓から逃れた貴子は警察に電話
カクマが逮捕されようやく事は収束する……
● コミック2巻
クスリが抜けようやく正気を取り戻した昌子。学校に復帰するも、何者かがレイプされている昌子の写真を黒板に張りだし、すぐさま不登校に……
父は会社をクビになり、ファミレスのアルバイトに転身……
貴子は、カクマに撮られたオナニー写真が投稿エロ雑誌に掲載されたのをキッカケに、女子グループからハブられる……
雑誌のことを父に知られ頬をぶたれた貴子はヤケになって家出。雨の中ふらふらしているとカクマたち不良グループと再会、そのまま着いていってしまう
カクマの家で一晩中抱かれる貴子であった……
● コミック3巻
警察沙汰になりカクマの家から連れ戻された貴子
反発してあらぬこと口走る貴子に「悪魔が乗り移った」と絶望する父。せめてみずからの手で始末をつけようと、寝ている貴子を包丁で刺し殺そうとする
枕元で口論する父と母に目を覚ました貴子、家の中を逃げ回りながら反撃する大騒乱に。親娘ケンカは夜が明けるまでつづく……
● コミック4巻
様々な騒動に巻き込まれ、ようやく落ち着きを取り戻した鈴木家。しかし壊れきった家族のきずなはもう元には戻らない
父は「一家離散」を選択する
父はクビを言い渡された会社に戻り、今度はイルクーツクへ
母は怪しげな団体にハマり、昌子はバイトしながら大学検定の勉強を、貴子は陰険ないじめを受けながらも学校に通いつづける……
それから1年
父は、離れ離れになった家族に囲まれ、最後の日を迎えようとしていた……
▼ 感想と評価
とにかくエロくて過激なマンガ
1巻は最高に過激でエロいんだけど、2巻になるとトーンダウン。3巻ではエロ要素はほとんどなく、4巻はいじめと何とか陰湿な話ばかり
尻すぼみ感は否めない
3巻以内にまとめればそれなりに名作になったと思うんだけど……
クラスのあこがれ的な美少女・昌子がクスリ漬けにされ散々犯されて、男のオモチャになり成り下がるってところがこのマンガの最大の興奮要素だと思う
妹の貴子も悪くはなけど、男心をくすぐるタイプではないかも。みずからカクマに抱かれに行ってるからシチュエーション的にも、まあまあ普通
3巻以降、エロ要素を抜いた話は面白いものではない
2017年現在から20年も昔のマンガなのに、最大テーマになっているのは現代とかわらない「いじめ」。便利で豊かな社会になっても人の本質は変わらないってことだわなぁ……
このマンガが世に出た当時と比べると、カクマみたいなあからさまな不良はいなくなったけど、弱い人間をターゲットにいじめをくり返す人間の陰湿さは何ら変わらない現代
これから先もずーっと変わらないんだろうね。そこだけは
後半からはそんな事を考えさせられるマンガ。若干鬱になるかも
【ストーリー評価】★★★(名作 !!)
【エロさレベル】★★☆(中エロ!)
◆◆◆ ありがとう 全4巻 ◆◆◆
【漫画作者】 山本直樹
【連載】 1994~1995年