【タイトル】 外道の歌 5巻
【漫画作者】 渡邊ダイスケ
【ジャンル】 エログロ漫画
【発売日】 2017年 12月
【掲載誌】 ヤングキング
【構成】 第34 ~ 41話
若者たちの「夢」と「上昇志向」をたくみ利用して利益をむさぼる居酒屋チェーン店オーナー。サービス残業なんて当たり前、終電前まで働かせて、使えない従業員はパワハラで追い込みを……
▼ あらすじ
● 第34話
大学生時代の園田夢二
学祭用のマンガを準備する漫研にて
いつものように人が描いたものを小バカにしつつ、めずらしく自分の描いたマンガを見せるも、深いような意味不明なような……
そこに現れたのは、オタク文化研究会会長・志茂田
なぜかしょっちゅう漫研に顔を出しては親しげに話しかけてくるけど、ただただ邪魔なだけのウザいやつだった
とある日
その志茂田の首吊り遺体が発見される……
● 第35話
「他殺」ということで警察の捜査
交流のあった漫研の面々も簡単な事情聴取を受けることに
とうぜん園田も……
そんなある日
園田のスケッチブックを覗いてしまった眼帯女子・紺野さん
スケッチブックを取りに現れた園田に「それ死体ですよね。見て描いたんですか、本物を」とズバリ言い当ててしまう
「なんでそう思うの?」と目つきが鋭くなる園田に「見たことあるんで、死体」とうすい笑みを浮かべる彼女
志茂田殺しの真犯人であった……
そんなこんなで互いの「初体験」を語り合う2人
しかも彼女「初めてが11歳のとき。年1くらいのペースで殺ってるから全部で9人ほど」と笑顔で語る園田以上の怪物で……
● 第36話
「私たちには夢がある! 全力で働く喜びがある!」
朝礼から気合満々のとある居酒屋の従業員たち
目をキラキラと輝かせる彼らに、オーナーからのありがたいお言葉
「人生で上に行くためには他人が避けて通るような辛いこと、苦しいことを率先してやる意識が必要です。
『きついからもう辞める』『怒られたからもう辞める』これは『人生の負け組』の典型的な発想です。
意識の低い人間はどんどん追い越されて『下の人生』を歩むことになるんです」とかなんとか……
そんな意識高い系飲食店に入社して3ヶ月
新入社員の安川絵莉
月~金まではフルタイム、土曜日はランチまでの半日営業、1日休日は日曜日のみ。休憩は昼夜の30分ずつで帰りはほぼ終電
でも、不平不満を言うひとりもいない
「これがフツーなのかな?」と自分を納得させようとするけれど……
● 第37話
労働基準法違反の職場、残業代も支払われない
そのうえ朝も1時間早めに出社してビラ配りをやらされて
不平不満を訴えられても達者な口でまるめ込むオーナー。ときに若者が好む「夢」を語ってみせて、時には「常識」をタテにしたパワハラで
「アメとムチ」のシステムががっちり機能していた……
そんな異常な環境あっても、他人を気づかえる佐藤くん
人のミスをカバーしてあげて、優しい言葉をかけてあげて、ワンマンなオーナーにもしっかり意見を言える将来有望な若者
とある日
帰りの駅ホームで、電車が迫りくる線路の中にフラっと倒れこみ……
● 第38話
閑話休題、とある日のカモメ古書店
「たまには豪華なものを腹いっぱい食わせろ」とストを決行したトラと、それに便乗した奈々子
結果、一人1,500円まででコンビニパーティすることに……
駄菓子と安酒で夜までの明かそうとするトラ、から揚げ弁当と日本酒でちょい豪華めのカモ、甘いお菓子ばかりの奈々子
三者三様のチョイスで、わいわいガヤガヤ……
● 第39話
事故とも自殺ともつかないまま亡くなってしまった佐藤くん
しかし、労働基準法違反で過労が原因なのはほぼ明らかなのに、証拠を隠して従業員には口止めして無関係をよそおうオーナー
泣き寝入りするしかない母親
数少ない証拠をもとに、カモメ古書店に依頼を持ちこみ……
「オレたちが探すのは法的な証拠じゃない。被害者の無念だ」
依頼を受けることにしたカモ
まずは実体調査のため、彼が亡くなってから数日後に退職した安川絵莉と面会して話を聞いてみることに……
● 第40話
件の居酒屋にバイトとして潜入したトラ
上司からケリを入れられてもグッと我慢
持前の体力を活かして力仕事で認められ、店長にも気に入られて、恒例の月一回の飲み会でようやく話を聞き出すことに成功……
一方「怪しい2人組(カモとトラのこと)が訪ねてきた」と佐藤センパイの家までわざわざ報告におとずれた安川絵莉
母親から事情を聞かされて……
● 第41話
「オーナー坂巻良人がクロである」と確信に至ったカモトラ
さっそく、人気のない地下道で坂巻を拉致監禁……
依頼者の望みは「こんな悲劇は二度と起こってほしくない」とのこと
命までは取らないものの、その達者な口が二度と人を惑わさないように舌を切断。窒息しないようにちゃんと処置しながら……