【タイトル】 ギフト± 10巻
【漫画作者】 ナガテユカ
【ジャンル】 エログロ漫画
【発売日】 2017年 12月
【掲載誌】 漫画ゴラク
【構成】 第85 ~ 94話
ペースメーカーで感情の暴走を抑えた環。しかし人形から人間に、彼女の変化は着実に進んでいた。一方、クジラの情報をネットに拡散させた瑞希、加藤のいる捜査一課へ異動となり……
▼ あらすじ
●第85話 作品
捜査一課へ異動となった桜田瑞希
連続女性殺害事件を担当することに
胃腸と膀胱、子宮と卵巣と腎臓、膵臓と脾臓、肝臓と胆のう、肺、1~2コの内臓を抜かれた計5人の被害者たち
いずれも10代後半とか
「快楽殺人の線で…」と提案する刑事に異をとなえた彼女
「遺体の他の部分にほぼ損傷がないことから被害者の生死には興味がないのでは? 犯人の動機は殺害よりもコレクターのそれではないか」と……
●第86話 孤立
残るはあとひとつの臓器・心臓
「次の被害者が出る前に発表すべきだ」と提案する瑞希
しかし「模倣犯」を恐れて、公表は控えるという刑事部長。仮に事件のことを誰かに話してしまえば守秘義務違反
廣瀬に相談することもできない
この「守秘義務」こそ、加藤が瑞希を捜査一課に呼んだ理由であった……
一方、すでに連続女性殺害事件の犯人を割り出していた加藤
須崎清彦(38歳)美容整形外科医
環を「理想の天使」として盗撮していた変態男
すぐさま、捕鯨のターゲットとしてタカシに報告されて……
●第87話 確定
現場から「情報分析班」に回された瑞希
今までのように、自由に出歩けなくなってしまう
しかし、ちょうどカメラ故障で死角になっている部分(加藤による手回し)を見つけると「現場に行ってみます」と単独行動を……
一方、ホシの自宅を家探ししていた加藤
見つけたのは、環そっくりの人形に詰め込まれたやたらリアルな内臓
プラスティネーション(樹脂でコーティング)された被害者たちの内臓だった
この瞬間「須崎清彦クジラ確定」
さっそく、防犯カメラの死角でクジラに近づく環……
●第88話 偽物と本物
真正面から近づいてくる理想の天使(環)になぜか後ずさりしてしまう須崎清彦
さらに、Yシャツのすき間からのぞく胸のキズ(心臓移植の手術痕)を見ると「なんでそんなものが…」とうろたえて
すれ違った瞬間にスタンガンを当てられて
あとはニセの救急車に運ばれ、捕鯨屋のアジトへ……
一方、現場放棄して勝手に現場に向かった瑞希
先に現場にきていた捜査員たちに足止めされてしまい、またもや環とニアミス……
●第89話 身代わり
そんなこんなで、須崎はクジラとして解体されて行方不明扱いに
須崎の連続女性殺人の罪は「どのみち死刑だからひとつ余罪が増えても関係ない」と他の連続殺人犯に着せられることに
そして、独断で職場を離れた瑞希は「査問」にかけられることに……
●第90話 ルール
職務怠慢をでっちあげられ
望みもしない捜査一課に異動させられ
独断で現場に向かうも、途中で止められて
ちゃんと犯人にたどり着いていたはずなのに、間違い扱いにされて(加藤たちが用意した身代わりのせいで)
踏んだり蹴ったりの瑞希さん
失態つづきで査問を受けるも、なぜか捜査一課に残留
瑞希の動きを封じたい加藤の差し金であった……
「身内は手にかけない」というルールを自身に課している加藤
元同期で同僚の阿藤を撃ったことを気に病んでいた
瑞希を捜査一課にとどめているのも、ある意味、彼女を守るためであり、彼女を手にかけたくないからであり
複雑な胸の内なのであった……
●第91話 アプローチ
とある日
瑞希のマンションに届いた見知らぬ差出人からの荷包み
こわごわ開けてみるとかなり旧式っぽい携帯電話
「プリペイドで秘匿性の高い、衛星が雲に隠れなければどこからもかけられる代物」とかで廣瀬からのプレゼント
「例のSNSアカウント(クジラ情報を拡散したやつ)を使えば相手を釣りあげられるかもしれん」と……
でもって、そのSNSアカウントに登録していた環
「あなたはだれ? T.H.」という謎のDMが送られてくる
タカシの元にも届き
亡命を保留にされ男の家を渡り歩いていた梨世の元にも届き
そのダイレクトメールが、環を釣るためのものだと理解した梨世。環を拉致すべく暗躍しはじめるのであった……
●第92話 イニシャル
T.H.からのDMはさておき
曹良民との「2,000人の臓器を提供する代わりに研究成果を共有する」という提案を受け入れることにしたタカシ
ところがこれには加藤が猛反対
「秋光正翁のご意志を無視することと同じです」
「私はあの時誓いました。身も心も 一生を秋光正翁に捧げようと。それはあの方が亡くなった今でも変わっておりません」と……
●第93話 正義
約20年前
対テロ対策を実地で学ぶため、警察からFBIに派遣さていた加藤
着実に経験を重ねていったある日
とあるテロ現場に突入
ひとりで奥へと偵察に入った加藤、テロに巻き込まれた秋光正を発見
彼に自身の防弾チョッキを着せて仲間の元まで戻ろうとするも、仕留め損ねたテロリストが発砲。腹部に被弾してしまう……
テロリストを射殺し生還するも、肝破裂により回復は絶望的
さらに追い打ちをかけるようにテロ対策チームプロジェクトが凍結
絶望の涙を流す加藤
そんな彼の見舞いに訪れた秋光正
「あの時のカリを返したいと思いましてな」と……
●第94話 人柱
折しも、再生医療プロジェクトを手掛けていた秋光氏
「もしも君の新しい肝臓を造ることが出来たとして、君はそれを移植する意思はあるかね?
多少時間はかかるが、成功すれば酒だって飲めるようになる。
ただし、ひとつだけ理解しておいてほしい。今までにこの移植を行った人間はいない。君が初めての実験体であり人柱だということを……」
そんなこんなで秋光正翁の理想に共鳴した加藤
「あの時決めたんです。この命 翁のために使おうと」
ところが、そんな加藤とは正反対のタカシ
「僕はね お爺様を、秋光正という男を憎んでるんだ。この世の誰よりも」と……