【タイトル】 外道の歌 4巻
【漫画作者】 渡邊ダイスケ
【ジャンル】 エログロ漫画
【発売日】 2017年 8月
【掲載誌】 ヤングキング
【構成】 第26 ~ 33話
被害者のための「復讐」をプランニングするブレックファーストクラブ、加世子と鶴巻。その出会いは2人がまだ10歳前後の子供だったころ、監禁された少女とその犯人の息子で……
▼ あらすじ
● 第26話
名家のお嬢さまっぽい加世子と、パっと見さえないけど戦闘能力はハンパない鶴巻。ブレックファーストクラブの2組
その出会いは17年前までさかのぼる……
当時10歳の鶴巻裕、ボロ屋で父母と3人暮らし
「オレの金玉から生まれてニンゲンモドキの分際で!」と何かにつけ息子をなぐる暴力的な父、ただ大人しく従うばかりの母
とある日
父の離れまでゲーム機を探しにいった裕
中には、同じ年くらいの、全裸で布団にくるまる少女がひとり。彼を見るなり助けを求める少女、あわてて引き戸を閉める祐
ちょうど離れに戻ってきた父に声をかけられ……
さりげなく女の子が捕らえられていることを伝えるも何もしようとしない母。結局、彼も父には逆らえず何もできないまま時は過ぎ……
● 第27話
とある日
離れに監禁されていた女の子は保護され、父はタイホ
事件のウワサはあっという間に広がり「ロリコン性犯罪者の息子」のレッテルを貼られいじめのターゲットにされた祐
母も仕事をクビにされ、生まれ育った町を離れることに
しかし、知り合いのいない土地に移ってもネットを通じてすぐにウワサが広まって、同じことのくり返し……
そんなこんなで19歳になった鶴巻裕
ノイローゼだった母は2年前に亡くなり、親戚の家にひきとられるも、一線をひかれて顔を合わせることも会話することもなし
テレビと録画したアニメをくり返し見るだけの毎日
そんなある日
包丁をふところに入れ「中学の時オレを目の敵にしてきた連中を順番に殺すか、それともあのクソ(親父)を…」
なんて考えながら街中をフラフラと歩いていると……
● 第28話
会話といえばチンピラに絡まれたときくらいの鶴巻に、
後ろから声をかけたのは制服姿の女子。8年前にちらっと見ただけの相手ながら、その目つきからすぐに「榎…加代子」と……
言葉に詰まりながら、胸をグっとおさえながら「ずっとココに引っかかっていた。あのときオレが何とかしていれば…」
苦しそうに胸のうちを語る鶴巻
対して、鋭い目線で、一定の距離を保ちながら「そうね アナタのせい」と助けてくれなかったことを非難する加世子
でも復讐に来たわけじゃない
「…もし もう一度、あの時をやり直す事ができるとしたらアナタならどうする?」と……
「私のおじいさまが所有しているビルのひとつよ」
加世子に誘われるまま、そのビルで暮らしはじめた藤巻。翌日からはじまったのは、元米軍らしき黒人によるマンツーマンの指導
体力作り、英会話、戦闘訓練
朝起きてから夜寝るまで、ひたすらに
アメリカに移住して米軍に入隊するために……
● 第29話
それから2年後
別人のようになって帰国した藤巻。加世子に案内され向かった先は、前日泊まった高層マンションとは対照的なボロアパート
中から出てきたのは、さえないハゲ親父
「あなたのお父さんよ。彼を捕獲してきて」と……
戸惑いながらも、手際よく実の父を拉致拘束する藤巻
復讐をプランニングするブレックファーストクラブ。加世子・鶴巻コンビへの最初の依頼者は、加世子自身であった……
● 第30話
かつて自分をレイプした男に、たぎる憎悪をぶつける加世子
手にしたナイフで、手の平を切り裂いて、太ももに突き立て、ペニスを切除……
「そこそこ」の苦痛を与えたところで手を止めた彼女
「…もういいわ。止血して」
「殺さないのか?」と問う藤巻に「…殺してやりたいわよ。でもこの男がやった事は客観的に見て死んで償うほどの罪じゃない。
これから先、この仕事をしていく私たちは加害者が犯した罪と依頼者の下す罰とのバランスを間違えないよう冷静に見極めなければいけない」
目には目を歯には歯を
人殺しには命で償ってもらう
「被害者のための裁きの場」それがこの仕事における彼女の理念だった……
● 第31話
とあるトラック運転手
ハンドル握りながらスマホでSNSのチェック中、操作をあやまり小さな男の子を轢いてしまう……
病院に運び込まれた男の子は死亡
それを他人事のように聞いていた運転手の男「事故だからしょーがねぇじゃん。別にオレ悪くねえし」と内心で毒づきながら
過失運転致死でタイホされる……
● 第32話
4人部屋の留置所暮らしのはじまり
入ってくるなりずっと黙りこくったまま運転手の男に、声をかけてきたのは筋トレに余念のないイレズミ男
「普通、仕事場でもなんでも後からはいってきたら挨拶くらいするでしょ 常識的に」なんて攻撃的な態度で……
自己紹介を終えるや、自分のことを語りだしたイレズミ男
振り込め詐欺組織の一員で、黙秘しつづけ4ヶ月も勾留されているとか
「仲間のことゲロっちゃえば刑は軽くなるけど、この業界で二度と商売できなくなるんで」とか「年収2~3千万くらいいってた」とかペラペラと……
● 第33話
10日間の勾留ののち、過失運転致死で起訴
禁錮3年の実刑判決……
そして3年後、出所した男
出迎えてくれた両親、何かと気遣ってくれて「何が食べたい? なんてもいいよ」と3年ぶりのラーメンが旨すぎる
サルのようにオナニーしてから、ようやく当時のニュースを見て
「一切 謝罪の言葉は…」と泣き崩れる母親を見て
ようやく「謝らなきゃ」と思い至った男
しかしすでに時遅し、路地裏で立ち塞がったのは2人の男(カモとトラ)
「おまえさんは何もしなくていい。謝罪も、自己嫌悪におちいる必要もない。ただ死んでくれればそれでいい」と無慈悲な一撃が……