【タイトル】 善悪の屑 5巻
【漫画作者】 渡邊ダイスケ
【ジャンル】 エログロ漫画
【発売日】 2016年 4月
【掲載誌】 ヤングキング
【構成】 第32 ~ 37話
些細なことから4人の小学生をめった刺にして殺した派遣社員・櫻井志津馬。場当たり的な行動ながら、手袋で指紋を、殺害に使った包丁を土の中に隠すなどと計画的な犯行。警察に捕まるのだが……
▼ あらすじ
● 第32話
放課後、工場跡の廃屋で遊んでいた男子小学生4人
何者かに刺殺され遺体となって発見される
容疑者として拘留されていた36歳・派遣社員の櫻井志津馬。しかし、散々ケーサツをバカにしたうえで「証拠不十分」となり釈放……
無念なのは、殺された子供の両親たち
ある者はショックで寝込んだまま、ある者はただ耐え忍び、ある者は復讐に燃えて。ネットに流出した情報から、櫻井志津馬へとたどり着く
タイホされる覚悟で「ヤツを殺そう」と……
● 第33話
事前に櫻井志津馬の行動を観察
人目のなくなるタイミングを狙って
背後からナイフを突き立てる
しかし背中に雑誌でも仕込んでいたのか貫通せず、跳ね返されてしまう。自称空手三段の志津馬、ナイフを持った遺族の男を返り討ち
助けるために特攻してきたもうひとりも返り討ち
ボコボコにされた父親たちを見下ろしながら、
「残念だったなぁ!? ガキ殺されて仇も取れねえでボコられてっ! イイとこの学校にガキ入れて学歴や年収じゃあオレより上かもしれんがっっ
最終的な人生レースじゃ オレの勝ちなんだよ!」と……
● 第34話
そんなこんなでお鉢が回ってきたのはカモメ古書店
ふたたび人目のない路地裏で襲撃される志津馬
今度は地下ファイターのトラが相手とあって一筋縄ではいかない。一進一退の攻防のすえマウントの取り合いではトラに軍配が上がり……
● 第35話
「…やってみろよ。ビビるとでも思ってんのかオイ!」
監禁拘束されてもオラついた態度をくずさない志津馬。そこに冷酷無比なカモの一撃、ナタで手の平をザックリ斬られてもひるまない
「オレは後悔も反省もねえよっ! ご苦労なこった!
オレには心のブレーキが無えんだよ。だから普通の人間どもにはできないことが出来る。おまえら凡人とは違うんだっ!」
痛みをはね返すように自論をぶちまける
対してカモ
「人間を殺すなんて、やろうと思えば誰にでもできるんだよ。刃物を持てば子供にだって大人を殺せる。でもやらない。意味がないからねぇ」
男の自尊心を打ち砕いてのち、
「もう殺してくれ…」と懇願する志津馬にさらなる拷問を……
● 第36話
6年前、大学の漫研に所属していた園田夢二
クセの強い部員たちの中にあって、さらにその上をいく我の強い性格
「能力バトルも書きたい」とネタを披露する男に「そんなこと考えてるやつゴマンといるのに底が浅いね~」とわざと怒らせるように
「キミには面白い漫画なんて書けないんじゃないかな~」
挑発しまくってのち、持論を語りはじめるイヤな奴で……
● 第37話(最終話)
「たまには外 飲みに行こうや!」言い出したのはトラ
「…べつに行ってもイイっすけど」とめずらしく同調する奈々子
「今月厳しんだよねぇ 本が売れなかったから」とわざわざ家計簿を見せるカモも「外で飲むのはやぶさかではないえどねぇ」と回りくどい賛成
そんなこんなで予算は4,500円
ひとり1,500円ずつ、注文の仕方にもそれぞれの性格が出て……
▼ 感想と評価
かつてないほど拷問シーンが強烈なグロ漫画
グロ系のマンガって、少なからずファンタジーが混じってたり常識はずれな一面があるけど、この作品はどこまでもリアル
自己中心的でやりたいホーダイの加害者
ある日とつぜん、理不尽な暴力に犯される被害者
残された遺族たちの無念
被害者と遺族の怒りを代行するカモとトラ……
ってな感じで、ストーリーはすごく解かりやすい。ヒドイ目にあわされれば「相手にも同じ痛みを…」って思うのが当然だよね
でも、法を順守する人は法によって縛られる
そして、法によって守られるのは法を破るクズばかり
理不尽このうえない社会。それを復讐代行という形で晴らしてくれるスカっとする漫画……とはいかないんだよねぇ
とにかく拷問シーンがグロ過ぎる
目玉をガスバーナーで焼いて、声帯切って、耳の奥の規管を切除し……って文字だけでも身震いするほど恐ろしいのに、絵もやたらとリアルだから……
ガチなグロ好きにしかオススメできない漫画
第2部「外道の歌」に続きます!
【ストーリー評価】★★★(名作 !!)
【グロさレベル】★★★(激グロ !!)
◆◆◆ 善悪の屑 5 ◆◆◆
【漫画作者】 渡邊ダイスケ
【発売日】 2016年 4月